厚みソルブ

[マージナル光線の高さ] (Marginal Ray Height)
最も一般的な厚みのソルブは、マージナル光線の高さソルブです。これは像面を近軸焦点に制約するために使用します。像面を近軸焦点に移動するには、像面の前の最後の面の厚みの横をクリックして、[ソルブ タイプ] (Solve Type) のドロップダウン リストから [マージナル光線の高さ] (Marginal Ray Height) を選択します。(回転対称の光学系だと仮定すると) 近軸像面ではマージナル光線の高さはゼロ (軸と交差) なので、マージナル光線の高さがゼロになる点まで像面が移動するように、この最後の厚みを設定することになります。デフォルトの高さの値はゼロ (目的の値) なので、[OK] (OK) をクリックしてウィンドウを閉じると、ソルブが厚みを適切に調整します。この計算では、主波長のみが使用されます。
原理的には、最初のオプション パラメータである高さにゼロ以外の値を入力することで、ソルブをその他のマージナル光線の高さ用に設定することもできます。像面の前の厚みだけでなく、どの面にもマージナル光線の高さソルブを配置できます。「高さ」とは、次の面 (これも像面である必要はない) の接平面上のマージナル光線の高さのことです。高さは、光線が接平面 (次の面の実際の湾曲面ではない) と交差する点で測定します。
3 つ目の値の「瞳ゾーン」では、光線の瞳座標を定義できます。デフォルト値はゼロで、近軸光線を使用することを示しています。ゼロ以外の値は、マージナル実光線を使用することを示します。ゾーンの値は、-1 ~ 1 の範囲である必要があります。これは Py 座標、つまり y 方向の正規化された入射瞳座標です。このソルブを使用して、7 ゾーン光線などの特定の光線の軸上の横収差がゼロになるように制約できます。厚みのセルには、マージナル光線の高さソルブがその面でアクティブであることを示すために「M」という文字が表示されます。
[主光線の高さ] (Chief Ray Height)
これはマージナル光線の高さソルブと似ていますが、近軸主光線を使用する点が異なっています。このソルブは、面を瞳平面に配置する場合に有用です。厚みのセルには、主光線の高さソルブがその面でアクティブであることを示すために「C」という文字が表示されます。
[エッジ厚] (Edge Thickness)
このソルブは 2 つの面の間隔を動的に調節して、指定された半径アパチャーで面の間の指定された距離を維持します。これは、エレメント上で負のエッジ、または過度に鋭いエッジを防ぐ際に有用です。厚みのセルには、エッジ厚ソルブがその面でアクティブであることを示すために「E」という文字が表示されます。放射開口をゼロに設定している場合は、現在の機械的半径が使用されます。
[ピックアップ] (Pickup)
厚みのピックアップ ソルブは、他の面および列からのスケーリングされたオフセット値をターゲット面の厚みとして使用します。ピックアップ厚み T は、T = O + S * V という式で求められます。ここで V は光源データの値、S は倍率、O はオフセットです。「ソルブの制限」も参照してください。ZPL マクロからピックアップ ソルブを設定する方法については、「列番号の整数コード」を参照してください。
[光路差 (OPD)] (Optical Path Difference)
このソルブは厚みをアクティブに調整して、特定の瞳座標における特定の光路差を維持します。OPD は、ソルブの配置される面ではなく、射出瞳で測定されます。設定する 2 つのパラメータは、主波長の OPD と、OPD を評価する瞳ゾーンです。たとえば、マージナル実光線が実主光線と同じ光路長になる焦点位置を維持するために、像面の前の最後の厚みに対する OPD ソルブを定義します。OPD パラメータはゼロに、瞳ゾーンは 1.0 に設定します。OPD ソルブがアクティブであることを示すために、「O」という文字が表示されます。OPD プロットを実行して、瞳エッジで OPD が実際にゼロであることを検証します。使用されるのは主波長のみで、軸上の視野のみが考慮されます。
[位置] (Position)
位置ソルブは、指定された基準面からの「z」距離を維持します。ソルブが配置された面よりも基準面が前にある場合は、基準面からソルブ面の後の面までの厚みの合計が、指定された値に維持されます。ソルブが配置された面よりも基準面が後にある場合は、ソルブ面から基準面までの厚みの合計が、指定された値に維持されます。基準面がソルブ面と同じである場合、ソルブ面の厚みはソルブ長の値に設定されます。
位置長のソルブは、ズーム レンズの一部分の長さを固定値に維持する際に特に有用です。このソルブは、レンズ長の合計の制約を満たすためにも使用できます。どちらの場合も、ソルブが最適化の変数およびオペランドを排除し、最適化の収束と速度を向上させます。厚みのセルには、長さ合計のソルブがその面でアクティブであることを示すために「T」という文字が表示されます。
このソルブでは、影響を受ける範囲のすべての面が同じ座標系に存在するものと想定されています。
[コンペンセータ] (Compensator)
厚みのコンペンセータ ソルブは、位置ソルブとよく似ています。このソルブは、面の厚みと別の基準面の厚みの合計が定数値と等しくなるように、その面の厚みを維持します。式において、このソルブは T = S - R という条件を維持します。ここで S は 2 つの面の厚みの合計、R は基準面の厚みです。基準面は、ソルブを配置する面よりも前にある必要があります。
[曲率中心] (Center of Curvature)
このソルブは、前の面の曲率中心に後の面が配置されるように、面の厚みを調整します。セルには、曲率中心ソルブがその面でアクティブであることを示すために「X」という文字が表示されます。
[瞳位置] (Pupil Position)
このソルブは、現在の面からの屈折に沿って、光学空間の瞳位置に次の面を配置します。瞳位置は、中心視野の主光線の周囲にある実際の差分光線を追跡することで決定されます。
[ZPL マクロ] (ZPL Macro)
ZPL マクロ ソルブの詳細については、「ZPL マクロ ソルブの使用」を参照してください。
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