[最適化] (Optimize!)


[最適化] (Optimize!) ボタンは、[最適化] (Optimize) タブの [自動最適化] (Automatic Optimization) グループにあります。このボタンにより、現在の光学系の自動最適化で使用する [ローカル最適化] (Local Optimization) ツールが表示されます。

設定 :
[アルゴリズム] (Algorithm) ローカル最適化では、DLS (減衰最小二乗法) アルゴリズムまたは OD (直交降下法) アルゴリズムを使用して、特定の条件に適合するように設計を改善または変更します。
DLS (減衰最小二乗法) は、数値微分を使用して、解空間の中でより評価関数値が小さい設計が得られる方向を判断します。この勾配法は光学系設計向けに開発されたもので、最適化のすべての問題でお勧めできます。
OD (直交降下法) では、解空間での変数と離散サンプリングの正規直交化を使用して、評価関数の値を小さくします。OD アルゴリズムでは、評価関数の数値微分は計算されません。ノンシーケンシャル光学系のように、評価関数のノイズが本質的に多い光学系では、DLS よりも OD の方が優れていることが普通です。同様のアルゴリズムの詳細については、Laurent Mazuray、Rolf Wartmann 編、『Optical Design and Engineering II』 (Proc. SPIE 5962, p. 87-95 (2005)) にある、S. Kudaev、P. Schreiber 共著、『Automated optimization of non-imaging optics for luminaries』を参照してください。
DLS と OD はいずれもローカル最適化であることから、最終的な結果は開始点によって変化します。グローバル最適化については「[グローバル最適化] (Global Optimizers)」を参照してください。
[コア数] (# of Cores) 最適化タスクの分散先とするコアの数を選択します。CPU が 1 つのみのコンピュータでも、複数の CPU を指定できます。この場合、1 つの CPU 上で複数のタスクが時分割処理によって実行されます。デフォルトの設定は、オペレーティング システムで検出されたプロセッサ数です。
[サイクル] (Cycles) 最適化サイクルの回数を選択します。[1 サイクル] (1 Cycle) では、最適化サイクルが 1 回実行され、[5 サイクル] (5 Cycles) では、最適化サイクルが 5 回実行されます。他の回数も同様に選択できます。[無限サイクル] (Inf. Cycles) では、[停止] (Stop) をクリックするまで、連続ループで最適化サイクルが無限に実行されます。
[自動] (Automatic) を選択すると、最適化関数の値が向上しなくなるまで最適化機能が実行されます。 [自動] (Automatic) モードの使用を強くお勧めします。指定の最適化サイクルを実行するために必要な時間は、変数の数、光学系の複雑さ、ソルブの数、オペランドの数、およびコンピュータの速度によって大幅に異なります。実行に要する時間が長すぎる場合、実行が停止しているように見える場合、または設計が適切に進行していないと思われる場合は、[停止] (Stop) をクリックすることで最適化の実行を終了できます。
[自動更新] (Auto Update) チェックすると、最適化サイクルの終了ごとに、開いているすべてのウィンドウが自動的に更新され、再描画されます。これにより、どの解析機能を使用していても、最適化の進捗状況を監視できます。更新中のユーザー インターフェイスの応答性を維持するために、ウィンドウの最高更新頻度は 5 秒に 1 回になっています。
[開始] (Start) 最適化を開始します。
[停止] (Stop) 実行中の最適化を停止し、制御をダイアログ ボックスに戻します。
[終了] (Exit) [ローカル最適化] (Local Optimization) ダイアログ ボックスを閉じます。最適化の実行中は [終了] (Exit) が有効になりません。有効になっている [終了] (Exit) を選択すると、ダイアログ ボックスが閉じ、現時点の最適化で得られた値で光学系が更新されます。
[保存] (Save) 現在の設定を OpticStudio のコンフィグレーション ファイルに保存します。
[読み込み] (Load) 保存されているコンフィグレーションをロードします。
[リセット] (Reset) 設定をデフォルトの値に復元します。
説明 :
OpticStudio に用意されている高機能なローカル最適化 (単に「最適化」) 機能はきわめて高性能であり、適切な開始点と変数パラメータ群を指定することでレンズ設計の向上を実現できます。この変数として、曲率、厚み、ガラス、コーニック、パラメータ データ、追加データ、マルチ コンフィグレーションの任意の数値データなどがあります。OpticStudio では、アクティブな DLS アルゴリズムまたは OD アルゴリズムのいずれかを使用します。これらのアルゴリズムでは、重み付けしたターゲット値で構成した評価関数を最適化できます。これらの目標値は「オペランド」と呼ばれます。OpticStudio には、デフォルトの評価関数がいくつか用意されており、メリット ファンクション エディタを使用して容易に変更できます。この手順の詳細については「評価関数の変更」を参照してください。
OpticStudio では、最適化を開始すると最初に光学系の評価関数が更新されます。計算できないオペランドがあると、最適化を開始できず、エラー メッセージが表示されます。どの面にも到達しない光線や屈折境界で全反射 (TIR) する光線の追跡が必要なオペランドは計算できません。そのようなエラー メッセージが表示される場合は、開始位置にあるレンズのプリスクリプションに誤りがあるか、光線に設定したターゲットが不適切であることが普通です (デフォルトの評価関数ではこのようなことはありませんが、ユーザー定義の光線では考えられます)。OpticStudio では、最適化の過程で評価関数を評価できなくても、処理を自動的に復元できます。したがって、当初の光学系を、評価関数に記述したすべてのオペランドを計算できるものとしておく必要があります。
評価関数の作成、変数の設定、および最適化機能の使用の詳細については「最適化の概要」を参照してください。
以下も参照してください。
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