[基準 OPD] (Reference OPD)

光路差 (OPD) は、結像を行う波面の位相エラーを表すため、光学設計の計算での値です。OPD ゼロからの偏差は、光学系により形成される回折像の劣化の一因となります。

射出瞳は像空間内の絞り面の像であるため、これはビームに明らかに定義されたエッジがある像空間内の位置のみを示します。射出瞳の照明は一般に、その振幅と位相が滑らかに変化し、またゼロ振幅の領域とゼロではない振幅の領域の間には明白に定義された境界があります。射出瞳で見る場合と波面には明白な回折の影響がない、というのが合理的な仮定です。これは、光学系のすべてのアパチャーが各アパチャーに入射する絞り限界ビームのサイズと比較して大きい場合には漸近的に当てはまります。射出瞳が仮想のものであったとしても (多くの場合)、射出瞳はビームに回折がない像空間内の位置のみを定義します。

波面が射出瞳から像面へと伝播していくと、ビーム プロファイルはその振幅と位相において複雑になり、波面は回折の効果によりすべての空間に広がります。そのため、射出瞳で測定される位相誤差は、波面と像質を説明する上で比類なく非常に重要です。

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