グリッド位相

この面は、グリッド サグ面とほとんど同じです (「グリッド サグ」を参照)。主な違いは次のとおりです。

  • サグの単位は長さではなく、ラジアンで表した位相です。
  • unitflag データは、delx、dely、および微分値のスケーリングのみに使用します。
  • 面の形状は平面です。
  • 回折次数に対応します。回折次数は、位相値の乗数です。値がゼロの場合には、位相の効果を無くします。次数を -1 に設定すると、定義したすべての位相値の符号が反転します。
  • 「せん断距離」に対応します。後述する「せん断距離を使用」を参照してください。

補間列では、データ点間で使用する保管方法を特定します。バイキュービック スプラインの場合は 0、線形の場合は 1、ピクセル化の場合は 2 を使用します。補間方法 0 および 1 の場合、位相と位相の傾斜は面全体にわたり連続的に変化します。補間方法 2 を使用すると、グリッド位相面は明確なピクセルを備えるようになります。位相の変化は、個々のピクセルに基づき決定付けられます。位相の傾斜は、.dat ファイル内にある微分値 (dz/dx、dz/dy、d2z/dxdy) に基づき決定されます。ファイル内の各点に関するすべての微分値がゼロの場合、OpticStudio はピクセルと隣接する値に基づき微分値を自動的に推定します。

それ以外では、グリッド サグの説明で与えられるファイル形式と一般的な情報が有効です。

せん断距離を使用

大気屈折の乱れをモデル化する 1 つの方法として、外部大気屈折モデル化プログラムにより生成されるデータを含むグリッド位相面を使用することが挙げられます。正確なモデル化には、長い距離分離した異なる位相データモデル化大気屈折層を含む複数の面が必要です。これらの層を分離することにより、層間の距離と光線の角度に応じて、異なる視野角で大気の異なる部分を通過します。分離により、面間で視野に依存する横方向のせん断が生じます。

このせん断をモデル化するには、原理上、光学系の前に長い距離で分離された複数のグリッド位相面を置くことができます。実際には、これはうまく作用しません。光線は、グリッド位相面を通過する際に曲がるため、完全に入射瞳から外れてしまうためです。この問題を回避するには、グリッド位相面を光学系の入射瞳に配置し、位相層の実際の位置に対応する「せん断距離」を定義します。位相についてのみグリッド位相面へ光線追跡する場合、OpticStudio は、グリッド位相面がせん断距離に配置されている場合の入射光線の座標に対応するよう、光線座標を調整します。通常、せん断距離は面から位相層の有効位置まで測定されると、負になります。せん断距離がゼロの場合、横方向の移動は生じません。

位相係数の符号規則

符号規則については、「バイナリ オプティクス 1」を参照してください。

パラメータ番号 定義
0 回折次数
1 せん断距離
2 補間方法。バイキュービック スプラインの場合は 0、線形の場合は 1、ピクセル化の場合は 2 を使用します。「バイキュービック スプライン補間と線形補間」を参照してください。

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