グリッド勾配

この面は、3 次元の座標のグリッドで定義される屈折率を備えた平坦な円形の面です。屈折率データはユーザー定義であり、GGD 拡張子を備えて ASCII ファイルに保存されます。[面のプロパティ] (Surface Properties) の [タイプ] (Type) タブにある [GGD ファイル] (GGD File) コントロールからファイル名を選択します (「[タイプ] (Type) ([面のプロパティ] (Surface Properties)」を参照)。屈折率データ ファイルは、<glass> フォルダに置く必要があります (「[フォルダ] (Folders)」を参照)。OpticStudio は、3-3 次スプラインを使用して GGD ファイル内で定義される点間を補間します。選択した面タイプが [グリッド勾配] (Grid Gradient) の場合、屈折率は、レンズ データ エディタの材質セルではなく、指定したグリッド データ ファイルに基づいて計算されます。

GGD 最大ファイル サイズ

GGD ファイルの最大サイズは、次式に基づきます。

 
limit = 6400*nx*(1 + ny + ny*nz)
 

32 ビットでは、10 億 (1E9) 未満の制限を要し、64 ビットでは 40 億 (4E9) 未満の制限を要します。

GGD ファイル形式

ファイルは 2 つの部分に分割され、第一行はヘッダーであり第二行は屈折率と分散データです。ヘッダーは、ファイルの内容と OpticStudio で使用される分散式に関する情報を含みます。主要部は、屈折率データ、分散係数、またはその両方を含みます。構文は次のとおりです。

 
DISPERSION_FORMULA_IDENTIFIER NX NY NZ DX DY DZ
X Y Z n0 C1 C2 C3 C4 C5 C6 C7 C8 C9 C10
.
.
.
 

ヘッダーに記述する分散式は、「ガラスの分散式」に説明のある分散式のいずれか 1 つに対応する文字列です。分散式識別子は、スペースが取り除かれた式の名前です (たとえば、セルマイヤ 3 (Sellmeier 3) 式であれば Sellmeier3 になります)。現在対応しているのは、前述のセクションに記載された式のみです。NX 値、NY 値、および NZ 値は、それぞれファイル内の x、y、および z 方向の点の数です。これらの値は、5 よりも大きいものとします。DX、DY、および DZ は、それぞれ x、y、z における点間の間隔です。

ファイルの本体において、最初の 3 つの値は x 座標、y 座標、および z 座標です。これらは、各範囲にわたり単調に増加する等間隔の点です。つまり、z は次の x 座標と y 座標のセットについて繰り返される前に、ゼロからその最大値まで増加します。最初の屈折率の値は n0 であり、これは必要なければゼロに設定できる屈折率オフセットです。指定の分散データから計算した屈折率に、この一定の屈折率オフセットを適用します。残りの値は、選択した分散式で屈折率分布を定義するために使用できる分散係数です。たとえば、Schott 分散式を定義する場合には、最初の 6 個の係数 C1 ~ C6 を使用し、残りをゼロとして定義します。また、Schott がファイルのヘッダーで定義される分散式識別子であることを確認する必要もあります。オフセットのみを使用して屈折率を定義したい場合には、1 とする項を使用しない分散式 (例えば Schott またはセルマイヤ 3 式) を選択して、すべての分散係数をゼロに設定します。この場合は、分散関係から計算される屈折率には 0 が返されるようになるので、屈折率オフセットの定数項のみで屈折率が決まります。

最大ステップ サイズは、この面タイプに関する唯一のパラメータです。詳細は、「GRIN 面の最大ステップ サイズの説明」を参照してください。

グリッド勾配に続く面の制約

グリッド勾配面の直後には、以下に挙げる面のみを配置できます。

  • 偶数次非球面
  • 拡張多項式面
  • 拡張非球面
  • 拡張奇数次非球面
  • 分布屈折率面 1 ~ 12
  • GRADIUM 面
  • グリッド勾配
  • グリッド サグ面
  • イレギュラ面
  • 奇数次非球面
  • 標準面
  • ティルト面
  • トロイダル面
  • Q タイプ非球面
  • ユーザー定義面
  • ゼルニケ フリンジ サグ
  • ゼルニケ標準サグ

グリッド勾配面のパラメータ定義

パラメータ番号 定義
1 Δt

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