コーティングの最適化
OpticStudio は光学コーティングの設計を目的としたプログラムではありません。コーティング設計の最適化には、通常、コーティング材の選定と層数に関してある程度の自動化が必要です。
しかし、OpticStudio には、層数および材料の選定が完了した時点で、コーティング層の厚み、屈折率、消衰係数に対する最適化と公差解析を実行できる機能を備えています。これらの機能には、コーティングの任意の層の厚みを線形にスケーリングする無次元の「コーティング倍率」および屈折率と消衰係数に対する無次元のオフセットを使用します。次に、通常のコーティング性能データを CODA オペランドを使用して最適化します。
層の厚みまたはオフセットを最適化するために、まず適切な層数および各層の材質を指定してコーティングを定義します。コーティングの厚みの初期値には、既知の適切な開始値か 1 波長を設定する必要があります (後者の場合、コーティング倍率は波長単位の厚みと見なせます)。コーティング層の厚みは 0 に設定しないでください。線形にスケーリングできないためです。コーティング倍率は 10.0 を超えてはなりません。材料の屈折率および消衰係数の初期値には、それぞれ 1 および 0、または既知の適切な開始値を設定します。
コーティング倍率と屈折率のオフセットは、ヘルプ ファイルの [設定] (Setup) タブ→ [面のプロパティ] (Surface Properties) → [コーティング] (Coating) セクションで説明している、[面のコーティング] (Surface Coating) タブで定義できます。この機能では、倍率と屈折率オフセットを変数に設定できます。これによって、コーティング層の相対厚みおよびコーティング材の屈折率を最適化できます。コーティング倍率に制約を課す方法については、「最適化オペランドの要約」の「CMGT」および関連する「CMLT」と「CMVA」を参照してください。屈折率および消衰係数のオフセットに制約を課す方法については、「CIGT」および関連する「CILT」、「CIVA」、「CEGT」、「CELT」、「CEVA」オペランドを参照してください。
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