[ホイヘンス MTF] (Huygens MTF)





ホイヘンスの直接積分アルゴリズムを使用して、回折変調伝達関数 (MTF) を計算します。



[瞳のサンプリング] (Pupil Sampling) 計算を実行するために追跡する光線のグリッド サイズを選択します。サンプリング密度が高いほど、より正確な結果が得られますが、計算時間も長くなります。

[像のサンプリング] (Image Sampling) 回折像の強度を計算する点グリッドのサイズ。この数値と像のデルタの組み合わせにより、MTF の計算に使用する PSF のサイズが決まります。「[ホイヘンス PSF] (Huygens PSF)」も参照してください。

[像のデルタ] (Image Delta) 像グリッドでの 2 点間の距離 (マイクロメートル)。デフォルトのグリッド間隔を使用する場合は 0 を指定します。

[コンフィグレーション] (Configuration) すべてのコンフィグレーションで波長ごとに PSF のコヒーレントな合計に基づく MTF を計算する [全て] (All)、[現在] (Current)、またはいずれかのコンフィグレーションを選択します。MTF は PSF を基に計算します。PSF は、コンフィグレーションごとに同じ波長の PSF をコヒーレントに加算した後、得られた PSF を波長別にインコヒーレントに加算して得られる値です。このため、定義されている各波長がすべてのコンフィグレーションで同じであることが必要です。波長とコンフィグレーションに重み付けを適用することもできますが、同じ波長を使用している必要があります。「マルチコンフィグレーション オペランドの概要」で CWGT および WLWT を参照してください。このコヒーレントな加算では、すべてのコンフィグレーションで像面が同じ位置にあることも前提となります。[全て] (All) を選択した状態で、フォーカル モードとアフォーカル モードの両方のコンフィグレーションを定義している場合、[コンフィグレーション] (Configuration) の設定は自動的に [現在] (Current) にリセットされます。

[波長] (Wavelength) 計算に使用する波長の番号です。

[視野] (Field) 計算の対象となる視野の番号です。

[タイプ] (Type) 表示するデータを選択します。現在は、変調が唯一のオプションです。

[最大周波数] (Max Frequency) 表示する最大周波数を MTF の単位で表した値 (「[MTF 単位] (MTF Units)」を参照)

[偏光を使用] (Use Polarization) チェックすると、偏光が考慮されるようになります。偏光の状態を定義する方法と解析機能での偏光の使用方法については「[偏光] (Polarization) (システム エクスプローラ)」を参照してください。

[破線を使用] (Use Dashes) 各種の曲線を区別するために、実線または破線を選択します。この設定は、クラシック表示でのみ使用できます。クラシック表示を使用するには、[OpticStudio 環境設定] (OpticStudio Preferences) の [グラフィックス] (Graphics) タブで [クラシック表示を有効] (Enable Classic View) を選択します。

説明 :

「[ホイヘンス PSF] (Huygens PSF)」の「説明」を参照してください。そこに記載された注釈は、この機能にも当てはまります。

ホイヘンス MTF では、ホイヘンス PSF の FFT を計算します。[像のサンプリング] (Image Sampling) および [像のデルタ] (Image Delta) の設定は [ホイヘンス PSF] (Huygens PSF) と同じであるため、ホイヘンス PSF を先に実行することをお勧めします (「[ホイヘンス PSF] (Huygens PSF)」を参照してください)。変換は像空間座標で PSF に対して実行されるので、タンジェンシャル応答はローカル像面座標の y 方向の空間周波数に対応し、サジタル応答は x 方向の空間周波数に対応しています。また、ホイヘンス MTF は、近軸瞳の光線の位置に依存しません。したがって、この MTF は ホイヘンス PSF が計算可能であればどのような光学系でも計算できます。たとえば、他の回折アルゴリズムで必要な基準光線が通過できないポートを使用する多くのノンシーケンシャル光学系や、複数のノンシーケンシャル サブアパチャーで構成した瞳や像が重なるような光学系などでも計算可能です。きわめて明るい軸外し反射望遠鏡のように、射出瞳に大きなディストーションがある光学系であっても、ホイヘンス手法で正しく処理できます。

ホイヘンス アルゴリズムの特性上、その計算は像空間座標で実行されます。このため、像面を回転すると、計算される MTF の方向に影響します。タンジェンシャル応答は、像空間の X 軸に沿った線で方向が決まる周期的ターゲットの像に対応しています。一方、サジタル応答は、像空間の Y 軸に沿った線で方向が決まる周期的ターゲットの像に対応しています。これは、FFT MTF の規則とは異なります。

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