分布 9

分布 9 面は、 NSG America, Inc. より入手可能な SELFOC ® の材質または同様の屈折率変化を備えた分布ガラスのモデル化に使用できます。分布 9 面の形状は、標準面に x 方向と y 方向の「ティルト」項を加えたものと同じです。

ここで、c は曲率 (曲率半径の逆数)、r はレンズ ユニット単位の動径座標、k はコーニック定数、さらに tan αと tan βは x 方向と y 方向のティルト角の正接です。これは、ティルトした標準面と同じ面形状ではありませんが、曲率が小さい場合、またはティルト角が小さい場合は非常に近い近似になります。分布 9 面には、以下の分布プロファイルが含まれます。

A および n0 は両方とも、波長の関数です。

ここで、波長はマイクロメートル単位で測定されます。分散データは、ユーザー定義であり、GRADIENT_9.DAT と呼ばれる ASCII ファイルに保存されます。このファイルは、フォルダ <glass> (「[フォルダ] (Folders)」を参照) に保存されます。GRADIENT_9.DAT ファイルは、それぞれが 6 行からなる複数のブロックを含みます。ファイルの最初の行は材質の名前であり、これは 20 文字未満の任意の名前です (スペースや引用符などの特殊文字は使用できません)。次の 5 行は、B、C、K0、K1、K2 の値です。ブロック間には空白の行は認められません。OpticStudio は GRADIENT_9.DAT ファイルに最大 25 の異なる材質に関するデータを読み込むことができます。

供給される GRADIENT_9.DAT ファイル内の分散データは、NJ 州サマセットの NSG America, Inc. 社 ((732) 469-9650)、または NY 州コーニングの Corning, Inc. 社 ((607) 974-4755) により提供されました。材質の特性に関する詳細な情報については、各メーカーまでご連絡ください。メーカーにより提供されるすべての材質が、必ずしも GRADIENT_9.DAT ファイルに含まれているわけではありません。含まれる材質は、NSG 社の SLS-1.0、SLS-2.0、SLW-1.0、SLW-1.8、SLW-2.0、SLW-3.0、SLW-4.0、および SLH-1.8 と、Corning 社の Corning-Grin です。

分布 9 面の材質を使用するには、面タイプを分布 9 に変更した後に、レンズ データ エディタのガラス列に適当な材質名を入力します。

最大ステップ サイズΔt によって、光線追跡の計算速度と精度のトレードオフが決まります。詳細は、「GRIN 面の最大ステップ サイズの説明」を参照してください。また、「GRIN 面に続く面の制約」も参照してください。

分布 9 面のパラメータ定義

パラメータ番号 定義
1 Δt
2 tan α
3 tan β

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