[オブジェクトの結合] (Combine Objects)
任意の 2 つのオブジェクトに対して、AND、OR、XOR などのブール演算を実行します。

オブジェクトの組み合わせツールは、選択した 2 つのオブジェクトにブール演算を適用し、重なり合った領域を「切り出す」などして、新しいオブジェクトを 1 つ作成します。新しいオブジェクトは、その後 IGES または STEP などの選択した CAD フォーマットにエクスポートされます。新規オブジェクトは、必要に応じてインポートし、光線追跡に使用できます。インポート CAD オブジェクトの詳細については、「[CAD パート :STEP/IGES/SAT」を参照してください。STL フォーマットでエクスポートした新規オブジェクトは、STL オブジェクト タイプでインポートされます。STL オブジェクトの解説は、「[CAD パート : STL」を参照してください。
ブール演算は、各コンポーネント オブジェクトを NURBS ベースの表現に変換することで実行されます。その後、一連のブール演算による切り出しや結合の操作により、目的のオブジェクトが生成されます。このため、ブール CAD オブジェクトには、インポート CAD オブジェクトと同じ注意点があります。詳細は、「インポートしたオブジェクトに関するコメント」を参照してください。OpticStudio の高精度ネイティブ表現から NURBS 表現に変換する際、ある程度の精度が失われる可能性があります。これは、OpticStudio の制約ではなく、任意の面を NURBS 表現するときに生じる本質的な誤差です。通常、後述する [スプライン] (Spline) および [公差] (Tolerance) のパラメータを使用することで、必要なレベルまで精度を向上できます。きわめて高い光学的精度を必要とする場合は、適切な精度がブール CAD オブジェクトの形状に保持されていることを検証する必要があります。
光線追跡の精度を最大限高める必要がある場合のオブジェクト結合の代替手段として、ユーザー定義オブジェクトを作成する方法があります。詳細は、「ユーザー定義オブジェクト」を参照してください。

設定 :
[オブジェクト A] (Object A)、[オブジェクト B] (Object B) : 結合する 1 番目のオブジェクトと 2 番目のオブジェクト。
[演算] (Operation) : 選択したオブジェクトに対して実行するブール演算を定義します。
[オブジェクトの交差] (Intersection of objects) : 両方のオブジェクトに含まれる領域 (AND)。
[オブジェクトの結合] (Union of objects) : いずれかのオブジェクトに含まれる領域 (OR)。
[オブジェクトの両方ではなく、いずれか一方] (Either, But not both objects) : いずれか一方のオブジェクトに含まれ、両方には含まれない領域 (XOR)。
[オブジェクト A からオブジェクト B を差し引く] (Subtract Object B from Object A) : オブジェクト A の占める領域のうち、オブジェクト B に含まれない領域 (A - B)。
[オブジェクト B からオブジェクト A を差し引く] (Subtract Object A from Object B) : オブジェクト B の占める領域のうち、オブジェクト A に含まれない領域 (B - A)。
[フォーマット] (Format) : 得られたオブジェクトを保存するファイルのフォーマット。
[スプライン] (Spline) : 各非球面フェイスで使用するスプライン点の数を設定します。スプライン点の数を大きくすると、通常はより高精度の結果が得られますが、代償としてファイル サイズ、光線追跡時間、オブジェクト生成時間が増大します。この設定は、非球面ではないオブジェクトには影響を与えません。
[基準座標] (Ref. Coordinate) : 結合したオブジェクトで使用する座標系を定義します。[グローバル] (Global) を選択すると、オブジェクトは NSC 光学系の原点を基準として配置されます。[オブジェクト A] (Object A) または [オブジェクト B] (Object B) を選択すると、オブジェクトはそれぞれオブジェクト A またはオブジェクト B のローカル座標枠を基準として配置されます。
[公差] (Tolerance) : 寸法公差をレンズ ユニットで指定します。フォーマットの中には、表現の精度を定義するために公差のパラメータを使用するものがあります。公差の値を小さくすると、通常はより高精度の結果が得られますが、代償としてファイル サイズ、光線追跡時間、オブジェクト生成時間が増大します。
[元オブジェクトを新しく組み合わせされたオブジェクトに置き換える] (Replace Objects With New Combined Object) : チェックすると、新規オブジェクトが生成された時点で、選択した元のオブジェクト A および B が新規オブジェクトに置き換えられます。チェックをはずすと、オブジェクトは生成されますが、NSC エディタに自動的にはインポートされません。
[オブジェクトのプレビュー] (Preview Object) : このボタンをクリックすると、指定した設定で作成されるオブジェクトのシェーデッド モデルがプレビュー表示されます。このシェーデッド モデル表示は回転および拡大縮小が可能であり、適切な形状が作成されることを画面で確認できます。
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