半径
回転対称ではない面のサイズは半径の設定で記述し、回転対称な面のサイズはクリア半径の設定で記述します。デフォルトの設定は、すべての実光線が遮られることなく通過できるアパチャーまでの半径方向距離です。クリア半径または半径の列に値を入力すると、その値の隣に文字「U」が表示されます。この「U」は、そのクリア半径または半径がユーザー定義であることを示しています。屈折力がある面にユーザ定義のクリア半径または半径を設定すると (該当の列に値を入力します)、面アパチャーを定義していない場合は、自動的に浮動アパチャーがその面に適用されます。浮動アパチャーとは、必ず目的の面のクリア半径または半径に等しい最大動径座標を持つ円形アパチャーです。
面アパチャー タイプの詳細については、「[レンズ データ エディタ] (Lens Data Editor)」の「[面のプロパティ] (Surface Properties)」で「[アパチャー] (Aperture)」を参照してください。
軸対称の光学系では、光束の火面に存在する面でない限り、どの面のクリア半径もきわめて正確に計算できます (通常、光束の火面に存在する面は像面またはその近くに発生します)。OpticStudio では、いくつかのマージナル瞳光線を追跡することにより、軸対称光学系でクリア半径を推定します。軸対称ではない光学系では、固定本数の光線を使用OpticStudioするか、反復手法を使用することで、必要なクリア半径または半径を推定します。反復手法は計算に時間を要しますが正確な結果が得られます。
詳しい説明については、「[上級] (Advanced) オプション ([システム エクスプローラ] (System Explorer))」の「[半径の高速計算] (Fast Semi-Diameters)」を参照してください。OpticStudio で計算した「自動」のクリア半径または半径は、一般的にきわめて良好な値ですが、あくまでも推定値であることに注意が必要です。
面によってはきわめて大きなアパチャーを設定すると、面に複数の z 座標値が発生することがあります。たとえば、奥行きのある楕円面では、面上の同じ x 座標と y 座標に対して複数の z 座標が存在することがあります。球面の場合、このような状態を「過半球」といいますが、OpticStudio では面が球面ではなくてもこの用語を使用しています。過半球面であることを示すために、その半径列にアスタリスク「*」が表示されます。表示されている半径は面の外縁部分での値であり、面には最大半径アパチャーよりも小さい半径アパチャーがあります。